小児矯正
早いうちの矯正治療で抜歯を減らす
小児矯正は、主に永久歯が生え揃う前の乳歯の状態から始める治療法です。
小児矯正であれば成長期なので骨も軟らかく、顎の大きさやバランスをコントロールしながら、美しい顔立ちをめざすことができます。歯並びやかみ合わせを正しくし、将来のお口の健康づくりに取り組みましょう。
子どもの矯正のメリット・デメリット
メリット
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1
抜歯の可能性が減る
顎が狭いと、永久歯がすべて収まりきるためのスペースが足りなくなります。矯正により顎の正しい成長を促せるので、永久歯のスペースが確保され、抜歯の可能性を減らせます。
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2
より美しい口もとに
歯並びや癖を改善することで、正常な発育を促し、顎やお顔の成長バランスを整えます。それにより、見た目が美しくなりコンプレックスが解消されるでしょう。
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3
将来負担の大きい
矯正治療をせずに済む小児のうちに永久歯を正しい位置に生えるよう導いておくと、成人してから永久歯列を整える必要がなくなる可能性があります。もし、成人してから矯正を行うことになっても、簡単で治療期間が短縮できるでしょう。
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4
治療期間が短い
すべての永久歯が生えてから矯正治療を始めるよりも、それ以前に始めておいたほうが治療期間が短く済み、経済的負担はもちろん、お子さんの負担も軽くなります。
デメリット
- 自費治療になるため、保険診療に比べ費用がかかります
- 矯正期間中、一時的に見た目が悪くなることがあります
- 小児矯正を行っても、大人になってから再度矯正が必要になることがあります
- 小児矯正に使用する装置は、その多くが家庭で患者さん本人に装着してもらうタイプのものなので、患者さん本人が治療に協力的でない場合には良い治療結果が出にくくなることがあります。
年齢別の矯正について
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第1期治療
第1期治療は、3~12歳を目安にして行われる治療法です。乳歯時期から永久歯への生え変わりが完了するまでの期間だと覚えておくといいでしょう。この時期の治療は、お子さんの顎の成長を利用したものであり、永久歯が並ぶスペースを無理なく作れる、というメリットがあります。
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第2期治療
第2期治療は、12歳以降から成人までの時期を対象に行われる治療法です。12歳以降はある程度、顎の成長が完了しているので、予想外な変化は起きず、計画的に治療できます。成人後も美しい歯並びや整った噛み合わせが続くので、追加の矯正治療を必要としないケースが多い、というメリットがあります。
当院の小児矯正治療の種類
拡大床
床矯正とは、顎を広げて正しく歯が並ぶためのスペースを確保する治療法です。装置は取り外しができるので、食事や歯みがきなどの場合も不便ではありません。ただし外している時間が長いと治療期間が延びますので、1日14時間以上装着するように心がけましょう。
ムーシールド
ムーシールドは受け口(反対咬合)を改善する装置です。
主に就寝時に専用マウスピースをつけることで、舌や口腔周囲筋の状態を整え、反対咬合を改善します。
3Dリンガルアーチ
正式名称を「舌側弧線装置」と呼び、奥歯などに固定式の矯正装置を装着する治療法です。歯の裏側に装置を付けるので、目立たずに反対咬合を改善したり、永久歯が正常に生えたりするのをサポートしてくれます。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、混合歯列期(乳歯と永久歯の交換期)にある子どものための透明なマウスピース型矯正装置です。透明で目立ちにくいマウスピースを1~2週間ごとに交換して歯並びを整えます。取り外しできることがメリットに挙げられます。一方で、1日20時間以上のマウスピースの装着しなければ効果が現れないため、しっかり意識をしながら自己管理する必要があります。
未承認医療機器の使用について
当院では、薬機法において未承認の医療機器である「マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト®)」を使用した矯正治療を行っています。
- 医薬品医療機器等法上の承認:未承認
- 入手経路:国内販売代理店経由
- 他の国内承認医薬品等の有無:なし
- 諸外国における安全性等に係る情報:FDA認可あり。日本国内では医療機器としての矯正装置に該当しませんが、使われている素材は日本国内で薬事承認されています。
小児矯正治療の治療費・治療期間
契約金・処置料
契約金(基本装置代含む) | 処置料(再診料) | |
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小児(予防)矯正 (拡大床、ムーシールド、3Dリンガルアーチなど) |
220,000~330,000円 (注1) | 3,300円 |
インビザライン・ファースト | 330,000~440,000円 | 5,500円 |
検査代(パントモ、模型、セファロ) | 33,000円 |
(注1)紛失等による装置再製は別途費用が発生いたします。
治療期間
小児矯正の治療期間は、治療開始時期や歯並びの状況によって変わるため一概にどのくらいかかると言いきれません。
目安として1期治療は約1~3年、その後永久歯が生え揃ったあとの2期治療は約1~2年です。1期治療のみで終わる場合もあれば、1期治療後に2~3年の経過観察の期間を挟んで2期治療を開始する場合もあります。
まずはきちんと検査をして、お子さま一人ひとりに合った方法で治療を進めていきます。
矯正中・治療後の注意事項
矯正装置を装着すると、見た目が気になったり、口の中に違和感を覚えたりするので、嫌がってしまうお子さんも少なくありません。また、マウスピースなどの取り外しが可能な矯正装置を使用する場合、装着時間や使用方法を正しく守ることが重要です。歯科医師の指示に従ってきちんと装着しないと、治療効果が期待できないので注意しましょう。